

ようやく読了。やっとジョン・ゴールトが登場。そこまでの社会崩壊の過程ではジョン・ゴールトが誰なのかみんな知らないような設定だったのに、いきなり誰もが知る存在として扱われる無理筋を感じる。桃源郷アトランティスに逃げる知識人、資本家たち。世界の後始末をつけてから合流するハンク・リアーデンとダグニー・タッガート。ダグニーはジョン・ゴールトに対しても極めて従順に恋慕の情を寄せる。
長大なション・ゴールトの素人哲学に辟易とする。敵としてのたかり屋が滅び、その様子を上空から見つめながら、安全なアトランティスへ向かう主人公たち。アメリカ映画おなじみの清々しいほどの勧善懲悪図式。
自らの才能を発揮して利益を得ることは悪ではない、という考えは社会主義との対峙の中では極めて説得力を持っただろう。けれども、たかりまでいかないにしても社会分配の問題はどうするのかとか、アメリカ富裕層に見られる寄付文化とか、ノブレス・オブリージュとか・・・単純に片付けられない問題たちが思い浮かぶ。
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