

引き続き読んでいるが、正直飽きてきた。社会的な平等の名のもとに、鉄鋼業を中心に行われる生産調整。他産業を含んで全体的な国家統制がかけられていく。それに対してやる気を失い突然失踪する実業家たち。失踪しない者、実業家でなくとも、努力や利益が認められない社会となり、誰ものやる気を奪っていく。主人公ダグニーもついに副社長を辞するが、会社が起こした大事故を機に復帰する。
国家管理のもと全産業が衰退していく様子、権力者へのコネや賄賂が蔓延していくは、ちょうど現在のベネズエラを見るようだ。科学的知識への嫌悪はポルポト派を思わせるものもある。こうした設定は資本主義と社会主義の対比を描きたいのだろうか。本書が書かれたのは1953年なので、社会主義の恐怖を訴えるような時期ではある。
それにしても長い小説なので冗長さを感じる。フランシスコ・ダンコニアやハンク・リアーデンの演説はひたすら長いし、21世紀モーター社の元社員を探すくだりは展開が長すぎて退屈する。ジョン・ゴールトの名前の登場の仕方も相変わらず筋を完全に無視した挿入状態。伏線を張るならもっとましな方法があるだろうに。
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