証券投資理論の歴史と、投資のトレンドの推移についての本。ある証券会社のCEOが激賞していたので読んでみたが、自分にはどうもいま一つだった。グラフとかは多少出てくるが、各投資理論の細かい話は出てこない。ちょっと表面的な記述に感じた。ちなみにαとは、ある投資戦略のベンチマークに対する超過利益を意味する。
証券投資理論の始まりとして、マーコヴィッツの効率的フロンティア曲線(1952年)から話は始まり(p.12)、多くの理論の基本となった1964年のシャープのCAPM(p.23)、バリュー戦略としてのファーマとフレンチの3ファクター・モデル(p.102)、1976年ロスの裁定価格理論(APT; p.107)、そしてカーネマン、セイラーなどの行動ファイナンス理論の話(p.172ff)まで。行動ファイナンス理論まで話題をカバーしているのが特徴かもしれない。
証券投資理論や投資の歴史について雰囲気をつかむには好著だが、特にその数学的な側面をのぞきみたい気持ちには応えてくれないようだ。この手の本だと、自分には
リチャード・ブックステーバー『市場リスク 暴落は必然か』のほうがはるかに面白い。
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