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岩本能史『非常識マラソンメソッド』

参考になるところもあり、別世界過ぎて参考にならないところもあり。非常識と謳っているが、こういう感じで書く人が昨今は多いので、むしろいまや常識的な話に見える。踵から着地しないとか、レース中によく食べるとか。


フォームや練習の仕方については参考になることは多い。骨盤が前傾した腰高フォームが無駄のない走りであって、背中で両腕を組むと背筋が伸びて骨盤を前傾させることができ、フォームを矯正できる(p.62- 69)。ビルドアップ走での練習。5kmずつ、1分、1分、1分半とペースを上げていく。サブフォーなら5km 28分からスタート(p.96-99)。1km換算すると1kmあたり5分36秒から12秒、18秒上げることになる。


あとは、レース前に回数を分けて切り餅を食べることの有効性とか(p.181-184)。レース前は甘くない炭水化物を取るといいということ。この辺りの理由は何やら科学的なことを書こうとしているが、平易すぎて信頼性は無い。結局は、やはり走る時間をどこまで確保できるかだろう。月間走行距離の目安はサブフォーなら200kmという(p.139f)。これだけの時間を確保するのは難しい。月間走行距離の6分の1以上の距離を一度で走るなというのは、時間が取れるときに長距離走をしがちなので参考になる。


副題にもある元キャバ嬢が3時間15分という話は、ランニングを始めて3ヶ月後の初フルマラソンで最初からサブフォーなので、何の参考にならない。説得性を持たせたいなら、違う例を出せばよいのに。フル6時間が3時間にといった話を聞かないのは、もともとの遺伝的体質や中高生くらいでの運動履歴でだいたい何かが決まってしまっているのでは、という感じがする。

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坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
コンサルティングファームに所属。数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。しかし博士号は取らず進路変更。以降IT業界に住んでいる。

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