読んだ本をひたすら列挙。読書のペース配分とその後の読み直しのためのメモ。学而不思則罔、思而不学則殆。
名著として名高い初等力学の教科書。物理がよく分からなくてずっともやもやするので、一度ここは初等力学まで戻ってみることにした。結果、やはりよく分からなくてもやもやする。この本は記述はしっかりしている。内容も運動方程式を基本としながら、調和振動について微分方程式を解く形でいくつものパターンを解説している。単振り子では$\sin{x} \sim x$の近似を行わずにきちんと解くと第一種完全楕円積分が現れること、そしてその基本的な解き方を扱う。惑星運動との関連でオイラーの仕事へ道筋をつける。また後半3分の1ほどは剛体の運動について扱っていて、こちらは最後の慣性楕円体、オイラーの運動方程式あたりはやや高度と感じた。
記述は丁寧で、特に式展開はしっかりと書かれている。一方、概念の説明にはよく分からないところも多い。慣性系や質量といった概念は、この本を読んでもよく分からない。実はどこにも定義されていない語や、数ページ離れて定義された変数を断りなく登場させるなど、惑わされる点もあった。また、議論を始める最初の式をどう立てたのか悩むことも多かった。角運動量と保存量については、もう少し解説の欲しいところで、特に前者は後半で剛体の運動で展開されたときに苦しむ。
とはいえさすがに内容は素晴らしく、単振り子(第八章)と相対運動(第九章)はなかなか目を見開かされるものがある。引き続き第二巻へ進む。
Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
コンサルティングファームに所属。数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。しかし博士号は取らず進路変更。以降IT業界に住んでいる。
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