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乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』

再読。能動的推論の仕組みを感情を中心に導入する。感情、知覚、運動が統一した枠組みで扱えることを示す。内受容感覚とそれを統合する島皮質が自己の状態をモニターする重要な機構であることをが強調される。精神疾患にみられる感情障害が、能動的推論の観点から、何の障害によって起こるのかが仮説的に述べられる。


後半では能動的推論の理論化としての自由エネルギー原理を説明する。予測の事後確率推定をMAP推定で行うときの、変分原理で持ち出される分布にヘルムホルツ自由エネルギーが現れることを明確に解説。難度の高い一冊だが、脳の各機能を統一的枠組みから見ることで教えられるは多い。

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坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)

Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
コンサルティングファームに所属。数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。しかし博士号は取らず進路変更。以降IT業界に住んでいる。

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