読んだ本をひたすら列挙。読書のペース配分とその後の読み直しのためのメモ。学而不思則罔、思而不学則殆。
そもそも感情的になることは、(逆説的であるが)感情の問題ではないことを把握すべきだ(p.7f)。感情とは自分の置かれた現在の状況に対する評価であって、それ自体が問題であるものではない(p.17f)。人を感情的にさせるのは、最初に抱いた感情ではない。その感情をきっかけに次々と考えて、ますます感情を生み出す感情的思考である(p.35-38, 64f)。感情的になることはひとつの自己防衛の仕方である。しかし自分をより一層危険にさらす的外れな防御である(p.42f, 119-121)。
人間関係において怒りで感情的になってしまうのは、多くの場合、相手に抱いている役割期待が満たされないからだ。役割期待は、言葉にして相手に伝えて修正することができる(p.61-63, 69-71)。感情的になるのは自分の正しさが認められないから。それはつまり、自己肯定を他人に委ねていること。しかし正しさは人それぞれ違うために、人に自分の正しさを認めてもらうことはうまくいかない(p.120-126)。自分の考えていること、自分の領域は相手には分からない。感情を抑え込まずにきちんと伝えることで他人も助けてくれる。結果として感情的にならなくて済む(p.92-96)。
こうして感情的にならないためには、今はこれでいいという感覚、自己肯定感を養い、目の前の出来事にまず対処すると考えること(p.60)。ともかくも、自分は突発的な感情を抱くような衝撃を受けたのだという自覚があれば、落ち着くまで少し待つなど事態をコントロールできる(p.46-48)。感情的にならないための習慣が、7つにまとめられる。(1)自分の体調を把握しておく。(2)相手の問題だと捉える。(3)自分の感情をありのままに認識して書き止め、それに対して親友ならどう言うだろうかを考える。(4)私を主語にして考えて被害と被害者意識を区別する。(5)「~すべき」ではなく、「~したい」で考える。(6)感情的になりそうなときはその場から離れる。(7)自分が感情的になりがちな状況を知っておき、そうした状況は見ないようにする(p.146-166)。
Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
コンサルティングファームに所属。数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。しかし博士号は取らず進路変更。以降IT業界に住んでいる。
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