読んだ本をひたすら列挙。読書のペース配分とその後の読み直しのためのメモ。学而不思則罔、思而不学則殆。
なかなか良書。FXと銘打っているがチャート分析なので商品は何であれ使える。様々なテクニカル指標を見るよりも、ローソク足をきちんと分析することを重視。レンジの高安がどこにあるかを見ていき、レンジブレイクの逆指値でトレードすることを説く。値動きの分析はしっかりしているし分かりやすい。実際のチャートでの分析例や、分析がうまくいかないパターンもあり参考になる。
チャート分析はプロでない限りシンプルに考えるに尽きるので、著者の視点にはとても納得する。私のよくやる手法とは違うが、それはそれぞれのやり方というものだろう。私の場合はトライアングルをよく使うが、本書では批判されている。どこにトライアングルを設けるか曖昧だし、結局はレンジの動きになると(p.202)。ただ本書でもレンジブレイクのあとのレンジの引き直しは、直近の高値・安値といいつつ、チャート分析例を見るとそうでなかったりするし、悩むところと著者も記す場合(p.188)もあり曖昧さが残るのは変わらない。ブレイクのあとにレンジをどう引き直すかは本書には書かれていないテクニックだろう。
一つの問題は、利食いの基準が特別には設けられていないことだ。ブレイクして引き直したレンジの、ブレイク方向とは逆の線にヒットすれば決済することになる。一本調子のトレンドだと、レンジを引き直す間もないまま決済に引っかかり、損失で終わる可能性も高い。またブレイクしたところに逆指値を置くので、ダマシの場合は大きな損失となる。この辺りもなにかテクニックがあるのだろう。直近の値動きでシミュレートしてみたら、それでもプラスは確保できるようだ。
Author:坂間 毅 (Sakama Tsuyoshi)
コンサルティングファームに所属。数学の哲学を専攻して研究者を目指し、20代のほとんどを大学院で長々と過ごす。しかし博士号は取らず進路変更。以降IT業界に住んでいる。
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